人間ドックや健康診断を受診していただく皆様から、よく伺う自覚症状に「手足のしびれ」があります。たくさんの方々が悩まれているしびれの原因や、主な病気についてご紹介します。
1.しびれの症状
膜がおおったかんじ、ジンジン、ビリビリ、こわばったという方もいれば、痛みをしびれという方、はれぼったいという方など人によって感じ方はさまざまです。
ご自身の症状を正しく医師に伝えることにより、診断がつきやすくなります。
・どのようにしびれるか(例:ジンジンする、ビリビリする)
・どの部分が?(例:手の甲、手の平、指先、腕、足先、足の裏)
・いつ?(例:朝方?常時?寒いとき?動いたとき?)
・姿勢により強弱があるか?(例:腕を外側に回したとき?猫背にしたとき?重たいものを持ったとき?)
・発症のしかたは?(例:突然しびれだした?徐々にしびれを感じるようになった?)
・経過は?(例:一時的に起こりすぐ消失するか?続くしびれがあり、だんだん症状がひどくなっているか?)
2.しびれの原因
1)脳によるもの
半身しびれ、手足の力が入りにくい、呂律が回りにくい等の症状を伴います。
2)末梢(感覚運動)神経によるもの
何らかの原因で末梢神経が圧迫され障害が起きたものです。いままであったしびれが
完全になくなった場合、重症であることがあります。
3)血行障害によるもの
血行障害によって神経に酸素がいきわたらなくなり、神経がパニックになっておこりま
す。手首にきつい輪ゴムをはめていると、指の感覚が変になるイメージです。
4)糖尿病によるもの
高血糖により神経がむくんだり、変性した蛋白がたまったり、神経に栄養を供給す
る細い血管がつまって神経が部分的に死滅するためにおこります。
3.手のしびれを引き起こす疾病
ここでは末梢神経による疾患を紹介します。
1)肘部管症候群
肘には尺骨神経という小指側の感覚と運動を司る神経があります。その神経は肘部管
というトンネルを通っています。そのトンネルで、神経に圧迫や強く引っ張る力が加わっ
て、起こる神経の障害です。肘を曲げると小指がしびれ、肘をたたくと強くしびれます。
2)手根管症候群
手首の中央を走る神経は手根管(神経の周りにある管)というトンネルの中を通っていま
す。そのトンネルに神経が圧迫されて引き起こされる疾患です。女性に多く、手首を曲げ
ると、親指?中指・手の平にしびれがでます。一般に早朝におこることが多いといわれて
います。手をふると楽になることが多いです。
3)胸郭出口症候群
鎖骨周辺で腕や手指に行く神経の束が、腕や手指に行く血管とともに圧迫されて起こる
病気です。肩こりやだるさ冷感を感じることが多く、なで肩の女性に発症することが多い
といわれています。
4.足のしびれを引き起こす主な疾患
1)椎間板ヘルニア
椎骨と椎骨の間にはクッションの役割を果たす椎間板と呼ばれる軟骨があります。椎間板が飛び出して椎間板の周りの神経を圧迫してしまう病気です。例えると、親指と人差し指でマシュマロをはさんで持ちます。やさしく持っていれば、マシュマロはもとの形のままです。指に力を入れると、マシュマロはつぶれてしまいます。椎間板ヘルニアとはマシュマロがつぶれて指の間から飛び出した状態です。
2)閉塞性動脈硬化症
主に下肢の大きい動脈が慢性的に詰まることです。末梢の神経に十分な血液が行きわたらなくなりしびれを生じます。つまり、正座をしている状態がずっと続いているイメージです。
3)脊柱管狭窄症
脊椎にある脊柱管という神経を囲んでいる管が狭くなる病気です。
5.まとめ
すぐ消えるしびれは特に心配ないと一般的に言われていますが、持続するしびれには注意が必要です。放っておいてもいいものと治療が必要なものがあります。症状の期間が長いほど、治る時間も多くかかると言われているので、早期に専門医に相談することが大切です。診断法も確立されていますので、まずはしびれの原因を知るために整形外科医師に相談しましょう。
し: しょうがないとあきらめず
び:ビリッときたら
れ:Let's Go 整形外科!!!
≪参考文献≫
臨床医のための末梢神経損傷・障害の治療 平澤泰介 編著