健康診断と放射線

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3月に起こった東日本大震災以来、放射線についてのニュースが続いています。そこで気になるのが医療の場で受ける「放射線」、ではないでしょうか。今回は主に健康診断で行われる検査に関する放射線について取り上げてみました。

●放射性物質・放射能・放射線、違いをご存知ですか?
 放射性物質...放射線を放出する性質を持つ物質
 放射能...放射線を常に出し続けている物質の性質
 放射線...放射性物質が発した線

ニュースで問題とされているのが地震のために放射性物質が飛散し、放射線を24時間出し続ける物質が、空気中に漂ったり、人体に付着したり(外部被曝)、体内に取り込んでしまい(内部被曝)、全身に浴び続けてしまうということです。
健康診断で受ける胸部エックス線検査や胃部エックス線検査等で使用している放射線は、その瞬間のみの被曝ですので、物質が人体に付着したり、蓄積したりすることはありません。

●放射線はどのような検査にどれくらい使われているのでしょうか?
 医療の場で放射線が使用されると『医療被曝』と呼ばれます。必要な部位に必要な時間だけ放射線をあてる最小限の被曝です。胸部エックス線検査では体の位置を整えた後は、瞬きをするような瞬間で検査は終わります。その間、約0.1mSvの放射線を使用しています。その他に健康診断で主に行われる検査としては、マンモグラフィー検査で約3mSv、CT検査で約20mSv以下、胃部エックス線検査で約50mSv以下、などです。ただし、検査機械や受診者の体型により、多少の違いはあります。ちなみに、超音波検査(エコー検査)や体脂肪検査、MR検査では放射線は使用されていません。
これだけ聞いてもその放射線が多いのか少ないのか分かりませんね。日常生活で比較に用いられる値を見てみましょう。

●日常生活を送る中でも放射線を受けている?
 人は日常生活を送る中で『自然放射線』を受けています。自然放射線とは宇宙から降り注ぐだけでなく、大地や大気、食物などからも受けています。1年間に受ける放射線は世界平均で2.4mSvといわれています。地域によって差があり、世界には10mSvといわれる国もあります。また、東京―ニューヨーク間の航空機での往復では地上に居るよりも宇宙線の影響が増えるため約0.2mSvといわれています。胸部エックス線検査より多いですね。
それでもやっぱり放射線の検査を受けたほうがいいのかな...と不安な方も居るのではないでしょうか。

●検査を受けることでのデメリットとメリットは?
 放射線の影響として例を挙げると、白血球の減少は1000mSv、吐気や嘔吐などは2000mSvと、健康診断で行われる検査とは桁違いな放射線を一度に受ける場合といわれています。また、発癌の危険性が約3%高くなる可能性があるという報告もあります。確かに、放射線を使用するので全く影響がないとは言えません。ただ、人は怪我をして傷ができると日が経つにつれてほとんど何もなかったように回復するのと同様に、放射線によって影響を受けた細胞も日々再生されます。医療被曝は被曝というデメリットもありますが、それ以上に健康に関する外見上では得られない重要な情報(日本の死因30%を占めている癌やその他の疾患を早期発見する)が得られるという大きなメリットがあります。
健康診断で使用される放射線は検査中の限られた時間、必要な限られた部位への被曝であり、医師や放射線技師によって管理された、必要最低限の放射線量ですので、安心してお受けいただきたいと思います。

〈参考文献〉
http://www.rerf.or.jp/index_j.html
http://ameblo.jp/retsnom511/image-10858125680-11159182872.html
http://1kampo.com/radioprotection/radioprotection.html
看護学大辞典第4版
医療領域の放射線管理マニュアル

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