食べることは、命を支える大切なことです。体の健康を保ち、美味しく食べるために「歯」は欠かすことが出来ないものです。今回は歯の健康について少し考えてみましょう。大切な歯を失う主な原因は、歯周病と虫歯です。特に歯周病は、30歳以上の8割がかかっているといわれており、糖尿病や心臓病と同じように生活習慣病と呼ばれるようになりました。歯周病のピークは45?54歳で約88%ですが、5?14歳の約36%、15?24歳の66%は歯茎に炎症を起こしています。このことから歯周病は、中高年層だけの病気ではなく、若いうちからの予防が大切だということが分かります。(平成11年歯科疾患実態調査より)
歯周病とは、歯肉炎・歯周炎を総称する歯の周りの病気で細菌感染症です。これは歯を支えている歯肉組織が破壊されてついには歯が抜けてしまう病気です。私たちの歯のまわりにこびりつく歯垢は、細菌の塊です。わずか1?の中に10億個の細菌が住み着いているといわれます。その細菌の中に虫歯や歯周病の原因菌がいます。糖尿病・高血圧症などの生活習慣病と共通しているのは初期段階では本人に自覚症状があまりないことです。生活習慣病の一つとされる歯周病も気がついた時には、かなり進行しているケースが多いといわれます。それでは簡単に歯周病の進行を見てみましょう。健康な歯茎はピンク色で引き締まっています。歯肉炎では、歯茎がたまに腫れたり、歯ブラシに血がにじむ程度です。初期の歯周病では歯周ポケットができ、歯が浮くような感じがすることがあります。その後、歯茎がやせたり、ブヨブヨになったり、食べ物が歯に挟まりやすくなったり、口臭がしたり硬いものが食べにくくなります。やがて末期になると歯がぐらついて抜け落ちてしまいます。
歯周病の直接の原因は歯周病菌ですが、歯周病菌のすみかとなる歯垢をためやすい悪い習慣にも注意が必要です。悪い習慣とは、間食が多い・よく噛まず食べる・やわらかいものを好んで食べる・喫煙をする・歯磨きをしないなどです。また健康状態が悪く抵抗力がおちていても、病原菌が暴れやすくなるので注意が必要といわれています。
下記の項目で、1?2項目当てはまれば歯周病の可能性があるといわれています。3?5項目なら初期歯周炎以上に進行している恐れがあります。ご自身で確認して、参考にしてみましょう。
□ 歯茎に腫れた部分がある
□ 口臭がなんとなく気になる
□ 歯茎がやせてきたようだ
□ 歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい
□ 歯磨きをした後に、歯ブラシに血がついたり、水に血が混じることがある
□ 歯と歯の間の歯茎が、鋭角的な三角形ではなくオムスビのような三角形になっている
□ ときどき、歯が浮いたような感じがする
□ 指で触ってみて、すこしグラつく歯がある
□ 歯茎から膿が出たことがある
歯周病は歯を失う大きな原因であり、歯は食べ物の消化に大切な役目を果たしています。歯を失うと、体全体に大きな影響が及びます。最近の研究では、歯周病菌やそれに起因する毒素や炎症から生じる物質が血流から体に入り心筋梗塞や狭心症、糖尿病など引き起こしたり、悪化させることがあるとの報告がされています。
生活習慣において歯周病の予防を心がけることと、肥満防止に心がけることの共通点がいくつかあります。それは規則正しい食事をして、間食を減らすこと、よく噛んで食べることです。間食を減らせば食物の食べ残しが歯に残る機会が減り歯周病の予防になると同時に肥満の予防になります。また、しっかり噛むことで唾液が十分に出て、口の中をきれいにし歯周病を防ぐ効果があります。
もう一つ歯に悪影響を及ぼすのは、喫煙です。タバコを吸うことで直接、口の中が攻撃を受け、歯と歯茎に悪影響を与えます。体の抵抗力を弱めたり、血管を収縮させ歯茎の血液循環を悪くしたりします。またタール(ヤニ)が歯にこびりつき、歯垢が出来やすく歯周病になりやすい環境をつくってしまいます。歯健康のためにも、ご自身・周囲の方の体の健康のためにも禁煙しましょう。
内科的な健康診断は、職場や自治体などの定期健診で受けている方が多いと思います。ところが「歯の検診」は自分で機会を設けなければ受けることができません。年に1?2回は受けておきたいものです。歯科検診は最寄りの歯科医院などで受けることができますが、
当会の神戸健診クリニックでも「ホワイト健診」として、全身の健診と併せて歯の健康状態の確認と歯のクリーニングを行っています。健康を増進し、病気を予防することにつながりますので、歯の検診も健康への投資と考えてもいいのではないでしょうか。
歯周病予防の家庭でできるセルフケアの代表として、歯ブラシによる歯磨きがあります。1日2回以上磨いていても、磨き残しが多いのが現実です。磨き残しが多く、歯垢がたまりやすい歯と歯茎の間、歯と歯茎の境目、奥歯のかみ合わせなどを重点的に一本ずつ丁寧に磨きましょう。特に就寝中は唾液の分泌が減ることで、口の中の細菌が増えやすくなりますので、就寝前には必ず磨きましょう。また歯ブラシは少なくとも1ヶ月に1回は新しいものと交換し、効果的に歯磨きができるようにしましょう。最近では電動歯ブラシも虫歯予防・歯周病予防に効果的であるといわれています。より丁寧に磨きたい人は取り入れてみてもいいのではないでしょうか。また、自分にあった歯磨きの方法や自分で取り除くことができない歯垢や歯石などを除去、歯垢をつきにくくするなど、歯科医師などの専門家のサポートも欠かせません。家庭でのセルフケアと歯科などでの専門的なケアを上手に組み合わせて、健康な歯を守りましょう。
参考資料:http://www.8020zaidan.or.jp/ からだの健康は歯と歯ぐきから
歯の健康について考えてみましょう!
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